食品の鮮度を保持する包装について

食品の包装で、ピザ専用のクリスピーカートンや汎用テイクアウトカートンの構造は、水分を通しやすい紙と水分を通さないポリエチレンとの間の吸水ポリマーを挟んで、片面は水分を吸いやすく、もう片方は吸水した水分がカートンの硬さに影響しなように工夫されています。テイクアウト食品の品質を保つために包装は日々開発が進んでいるといえます。

青果物の鮮度を保持するための包装もあります。青果物は収穫後も呼吸を続けています。一般的に、菜葉類やきのこ、未熟果菜類などは呼吸が多いので、鮮度を保持するためには、水分や糖、酸、ビタミンなどの青果物に含まれる成分を消耗させてしまう呼吸や蒸散の抑制が必要となります。

そのため、低温で保存したり流通したり、薄手のプラスチックフィルムや濡れた紙などで包装して、萎れたり、目張りを抑えたりします。植物ホルモンのエチレンの影響が大きいものだと、生成したエチレンを吸収除去したりします。

ブロッコリは、呼吸量が非常に高くて、ビタミンCも非常に多い緑黄色野菜となります。呼吸により収穫してから急速にビタミンCが減少します。常温で置いておくと、2〜3日以内には花蕾が黄化しはじめます。商品価値が短期間で失われてしまうということです。

このような青果物は保存期間を伸ばさないといけないということで、呼吸量に合わせた包材を選択して、袋内の酸素濃度を低く維持して流通させる必要があります。このような包装によって、準低温で、1週間〜10日程度まで変色やビタミンCの減少を抑えて保存期間を伸ばすことが出来ます。

実際、スーパーなどで、袋に入った青果物を見ますが、良く観察してみると包装袋はそれぞれ違うのがわかると思います。

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